空き家を放置すると固定資産税が6倍?|リスクと罰則

空き家とは

空き家は一般的には「1年以上誰も住んでいない、または使われていない家」を意味します。人の出入りの他に、電気、ガス、水道の使用状況、物件の管理状況、所有者の利用実績などが判断基準として挙げられます。

また空き家は大きく次の3種類に分けることができます

・賃貸用または売却用の住宅

・二次的住宅

・その他の住宅

賃貸用または売却用の住宅

新築、中古問わず賃貸または売却のために空き家となっている住宅を指します。賃貸用または売却用の物件は、不動産会社等によって適切に管理されていると考えられるため、問題視されることはあまりありません。

二次的住宅

別荘や仕事用の別宅など毎日ではないが定期的に使用されている住宅を指します。二次的住宅も同様に、持ち主らによって定期的に管理されていると考えられるため問題視はされません。

その他の住宅

賃貸用または売却用の住宅、二次的住宅以外の空き家で転勤や入院などにより長期に不在の住宅や相続によって受け継いだものの誰も住んでおらず放置されている住宅や倉庫などを差します。この空き家が大きな問題となっており、下記の条件を満たす場合は「特定空家」に該当し国から指導を受ける場合があります。

・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

・著しく衛生上有害となるおそれがある状態

・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

「特定空家」は国からの「指導」や「助言」を受けても改善されない場合は「勧告」「命令」され、それらに従わない場合は50万円以下の過料に処される場合がある他、強制撤去などの対応が行われる場合もあります。

空き家のもたらす影響

空き家のもたらす影響は所有者だけでなく近隣にもおよびます。具体的には以下の項目が考えられます。

・倒壊

・外壁落下

・害獣・害虫

・景観の悪化

・悪臭

・治安の悪化

倒壊

長く管理されていない空き家は、傷みが進むと台風や地震などで倒壊する可能性があり、二次災害につながる恐れがあります。

外壁落下

外装材や屋根材などの破損を放置しておくとそれらの部材が落下する可能性があります。通行人に怪我を負わせるなどの可能性もあり非常に危険です

害獣・害虫

管理されず放置された空き家に害獣や害虫などが住み着き大量発生すると不衛生な状態になります。

景観の悪化

ごみの散乱や山積み、外壁の破損や汚損などが放置されると景観を損ねてしまいます。

また、放置された樹木なども隣接した家や道路の妨げとなる場合があります。

悪臭

腐敗した動物の糞尿やごみなどが放置されると悪臭を放ち、近隣まで迷惑をかけてしまう場合があります。

治安の悪化

壊れた窓などから不法侵入者に出入りされると、周辺地域の治安の悪化に繋がります。

空き家を放置するとどうなる?

空き家が放置されると、倒壊など安全面の問題はもちろんのこと、ねずみや害虫の発生や不法侵入など、衛生面や防犯面でも周囲に悪影響を及ぼします。こうした問題を解決するために国や自治体では様々な対策がとられています。

空家法(空き家等対策の推進に関する特別措置法)による対応

倒壊の危険性が高いなど、周囲に大きな悪影響を及ぼす空き家を、市区町村が「特定空家」に指定し、指導や勧告などの所有者に改善を求める対応や、それに応じられずに放置された空き家を強制的に取り壊すなどの対応を行っています。

空き家に関わる法改正による対応

令和5年12月13日より施行された空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律により、前述した「特定空家」だけでなく倒壊する恐れがなくとも、窓や壁が破損しているなど管理が不十分な状態の「管理不全空家」についても指導や助言の対象となりました。この指導を受け、従わずに勧告を受けると固定資産税等の軽減措置(住宅用地特例)を受けられなくなる場合があります。

住宅用地特例による固定資産税等の軽減措置

土地に対する固定資産税が課税される年の1月1日において、住宅やアパートなど、人が居住するための家屋の敷地として利用されている土地(住宅用地)は税負担が下記のように軽減されます。

小規模住宅用地(200㎡以下の部分)一般住宅用地(200㎡を超える部分)
固定資産税の課税標準⅙に減額1/3に減額

「管理不全空家」や「特定空家」への指導に従わず勧告を受けると、上記のような固定資産税負担の軽減措置(住宅用地特例)が受けられなくなり、最大で固定資産税が6倍になる可能性があります。

まとめ

空き家を放置しておくと所有者だけでなく、近隣地域にも大きな影響を及ぼします。国や市町村でも様々な対策が取られており、指導、勧告や固定資産税の軽減措置が受けられなくなるなどリスクも大きいため、早めに対策をとることが重要です。こぶつ屋では空き家の片付け、買取、解体工事など様々な方法で対応することが可能です。ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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